スレート屋根(コロニアル・カラーベスト)の野地板の湿度変化による腐食・傷み
家を雨漏りから守る大事な屋根ですが、その屋根材を支える役目をしているのが野地板です。野地板は夏冬の過酷な温度変化にさらされるため、他の木材に比べて傷みやすくなっています。
野地板が傷んで行くもう一つの原因に、湿度の変化があります。野地板の周りの湿度が大きな変化を繰り返してゆくことによって、野地板の痛みが加速して行きます。今回は野地板の周りの湿度変化に焦点を当て、検証したいと思います。
(注)野地板:屋根材を支える木材で、厚さ12mm程の木材。在来工法では無垢材を用いるが、最近は接着剤で張り合わせた合板を用いる業者も多い。
結論
野地板にやさしく、野地板表面の湿度があまり変化しない屋根材は以下の順です。
1.銀色・日本瓦
2.黒色・平板瓦
3.黒色・スレート板
・小屋裏(天井裏)の湿度が上がって行く場合には、黒色・スレート板が最も急激に野地板の表面湿度が上昇します。(実験1)
・小屋裏の湿度が下がって行く場合には、黒色・スレート瓦が最も急激に野地板の表面湿度が下降します。(実験2)
・小屋裏の湿度が高い場合には、黒色・スレート板は3種類の屋根材の中で、唯一結露に至りました。(実験3)
実験1 小屋裏(天井裏)が高湿条件の場合の野地板温度・湿度の経時変化
実験設備はこれまでの3回と同様ですが、実際の住宅環境に近付けるために、実験棟内部をファンヒーターで加温、加湿器で加湿する手段を取っています。実験期間中、実験棟内の加湿を継続した場合に、野地板周りの環境がどのように変化するのか、ということを検証しています。
実験時の測定条件
実験結果のデータ
実験結果の概略
・野地板表面の昼夜の温度変化について
冬場であり、夏ほど大きな温度変化はありませんでしたが、黒色スレート板は唯一50℃を大きく超える日がありました。
・野地板表面の相対湿度について
相対湿度が高い順に以下の順で、徐々にこの傾向がはっきりとして行きます。黒色スレート板の相対湿度の高さが際立っています。
・野地板表面の絶対湿度について
絶対湿度が高い順に以下の順です。黒色・スレート板の昼間の絶対湿度の上がり方が顕著です。
実験2 小屋裏(天井裏)が低湿条件の場合の野地板温度・湿度の経時変化
実験1との相違点は加湿器を停止し、快晴日には窓を開放して外気にさらします。実験1に引き続いて行うため、高湿にさらされた小屋裏が、徐々に乾燥して行く過程で野地板周りの環境がどのように変化するのか、ということを検証をしています。
実験時の測定条件
実験結果のデータ
実験結果の概略
・野地板表面の昼夜の温度変化について
実験開始当初は以下の順で、昼夜の野地板表面の温度が大きく変化しましたが、乾燥して行くにつれて、次第に差が縮小して行きました。
・野地板表面の相対湿度について
実験開始当初は実験1と同じ順位で推移しましたが、次第に差が縮小し、以下のように実験1とは逆の結果となりました。黒色・スレート板の急激な乾燥化が特徴的です。
・野地板表面の絶対湿度について
実験開始当初は実験1と同じ順位で推移しましたが、3種類の屋根材ともほぼ同等の数値を示すようになりました。最終順位は以下のとおりです。この項目についても黒色・スレート板の急激な乾燥化が印象的です。
実験3 小屋裏(天井裏)が高湿条件の場合の野地板温度・湿度の経時変化
実験2で乾燥させた実験棟内部を再度加湿しています。実験期間中、加湿を継続した場合に野地板周りの環境がどのように変化するのか、ということを再度検証しています。
実験1との違いは、実験棟内の温度設定を27℃に5℃引きあげて、一層過酷な環境で実験していることです。
実験時の測定条件
実験結果のデータ
実験結果の概略
・野地板表面の昼夜の温度変化について
夜間は大きな温度差はありませんでしたが、実験時期が3月の下旬になったことこともあり、昼間の日射がある時には大きな違いが出るようになりました。以下の順位で大きな温度変化を示しました。
・野地板表面の相対湿度について
相対湿度が高い順に以下の順で、加湿を続けるにつれて、徐々にこの傾向がはっきりとして行きます。黒色スレート板の相対湿度は100%を超えて結露に至りました。
・野地板表面の絶対湿度について
絶対湿度が高い順に以下の順です。黒色・スレート板の昼間の絶対湿度の上がり方が顕著です。
試験結果についての考察
いずれの場合についても、瓦とスレート板を比較した場合、スレート板は瓦に比べて、野地板表面の湿度変化がきわめて大きいことがわかります。以下に、湿流のメカニズムを検証しています。
実験2のように小屋裏の湿度が低い場合
日射によって温められるたびに野地板は乾燥し、湿度が下がって行きます。屋根材がスレート板の場合は、日射時に瓦よりも高温になるため乾燥化が激しく、相対湿度が一気に下がって行きます。
非日射時、特に夜間には野地板温度が下がり、野地板内の水分子が持つエネルギー量は、小屋裏内の空気の水分子が持つエネルギー量よりも小さくなるため、矢印は上向きとなります。
しかし、日射時には野地板温度が上がり、野地板内の水分子が持つエネルギー量は、小屋裏内の空気のそれよりも大きくなるため、湿流は下向きとなります。この状態では野地板に吸着している水分子は空気中に蒸散するため、野地板は乾燥、小屋裏の空気中の湿気量は増加します。
強い日射による下向きの湿流は、夜間の上向きの湿流よりも大きいと考えられます。したがって、日射の繰り返しによって野地板は乾燥して行きます。
黒色・スレート板は野地板の表面温度が日中急激に上昇するため、急激な乾燥を繰り返して行きます。
実験1や3のように小屋裏の湿度が高い場合
日射によって温められるたびに野地板は湿気を帯び、湿度が上がって行きます。屋根材がスレート板の場合は、日射時に瓦よりも高温になるため、より、高湿状態になります。
上の図では、既にある程度、野地板が水分を含んだ状態を表しています。
非日射時、特に夜間には野地板温度が下がり、野地板内の水分子が持つエネルギー量は、小屋裏内の空気のそれよりも小さくなるため、矢印は上向きとなります。
日射時に野地板温度が上がり、野地板内の水分が持つエネルギーが増大してくると、小屋裏内の空気のそれよりも大きくなるため、下向きの湿流が発生し、乾燥作用がある程度働きます。しかし、小屋裏が高湿である場合にはこの作用は大きくありません。
その一方で、野地板の奥まで湿気を帯びさせようとする上向きの湿流が発生しますが、ルーフィングシートで野地板表面が覆われているため、この向きの湿流は空気中に蒸散することができません。野地板の温度が上がるほど、この作用は大きくなります。
したがって、野地板の温度が上がりやすい黒色・スレート板は急激に湿潤化して行くこととなります。
野地板が傷んで行くもう一つの原因に、湿度の変化があります。野地板の周りの湿度が大きな変化を繰り返してゆくことによって、野地板の痛みが加速して行きます。今回は野地板の周りの湿度変化に焦点を当て、検証したいと思います。
(注)野地板:屋根材を支える木材で、厚さ12mm程の木材。在来工法では無垢材を用いるが、最近は接着剤で張り合わせた合板を用いる業者も多い。
結論
野地板にやさしく、野地板表面の湿度があまり変化しない屋根材は以下の順です。
1.銀色・日本瓦
2.黒色・平板瓦
3.黒色・スレート板
・小屋裏(天井裏)の湿度が上がって行く場合には、黒色・スレート板が最も急激に野地板の表面湿度が上昇します。(実験1)
・小屋裏の湿度が下がって行く場合には、黒色・スレート瓦が最も急激に野地板の表面湿度が下降します。(実験2)
・小屋裏の湿度が高い場合には、黒色・スレート板は3種類の屋根材の中で、唯一結露に至りました。(実験3)
実験1 小屋裏(天井裏)が高湿条件の場合の野地板温度・湿度の経時変化
実験設備はこれまでの3回と同様ですが、実際の住宅環境に近付けるために、実験棟内部をファンヒーターで加温、加湿器で加湿する手段を取っています。実験期間中、実験棟内の加湿を継続した場合に、野地板周りの環境がどのように変化するのか、ということを検証しています。
実験時の測定条件
| 実験に用いた屋根材 | 1.銀色・日本瓦、 2.黒色・スレート板、 3.黒色・平板 |
| 実験開始日 | 2月13日 |
| 湿度状況 | 高湿状態 |
| 設定室温 | 22℃以上 |
| 設定湿度 | 90%以上 |
| 窓の開閉 | 終日密閉 |
| そ の他 | 加温・加湿は2月13日に開始 |
実験結果のデータ
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実験結果の概略
・野地板表面の昼夜の温度変化について
冬場であり、夏ほど大きな温度変化はありませんでしたが、黒色スレート板は唯一50℃を大きく超える日がありました。
| 黒色・スレート板 | 朝の外気温が低下した日の、昼の温度上昇は3種類の屋根材の中で最も激しい。 |
| 黒色・平板 | 朝の外気温が低下した日は黒色・スレート板に近い動きをする傾向がある |
| 銀色・日本瓦 | 全期間にわたり、常に最も温度変化が少ない |
相対湿度が高い順に以下の順で、徐々にこの傾向がはっきりとして行きます。黒色スレート板の相対湿度の高さが際立っています。
| 黒色・スレート板 | 実験期間末期には90%に到達。昼夜の変化、期間中の変化とも、最も大きく急激で、実験の始期と終期の差が20%を超えた |
| 黒色・平板 | 黒色・スレート板と銀色・日本瓦の中間的数値。ただし、数値変化の傾向は黒色スレート板と似た傾向を示す |
| 銀色・日本瓦 | 昼夜の変化、期間中の変化とも最も小さい。一日の最高値で見ると、実験の始期と終期でほとんど変わらない |
絶対湿度が高い順に以下の順です。黒色・スレート板の昼間の絶対湿度の上がり方が顕著です。
| 黒色・スレート板 | 期間中、常に最高数値を示し続け、一日の最高値では他の瓦系屋根材よりも20%以上の開きを計測する日も見られた。昼夜の変化、期間中の変化とも最も大きい |
| 黒色・平板 | 数値の基本的な大きさは、銀色日本瓦とほとんど同じ |
| 銀色・日本瓦 | 昼夜の変化、期間中の変化とも最も小さい |
実験2 小屋裏(天井裏)が低湿条件の場合の野地板温度・湿度の経時変化
実験1との相違点は加湿器を停止し、快晴日には窓を開放して外気にさらします。実験1に引き続いて行うため、高湿にさらされた小屋裏が、徐々に乾燥して行く過程で野地板周りの環境がどのように変化するのか、ということを検証をしています。
実験時の測定条件
| 実験に用いた屋根材 | 1.銀色・日本瓦、 2.黒色・スレート板、 3.黒色・平板 |
| 実験開始日 | 2月28日 |
| 湿度状況 | 乾燥過程 |
| 設定室温 | 22℃以上 |
| 設定湿度 | 設定なし |
| 窓の開閉 | 快晴時の昼間に開放 |
| その他 | 2月28日に加湿を停止。加温は継続 |
実験結果のデータ
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実験結果の概略
・野地板表面の昼夜の温度変化について
実験開始当初は以下の順で、昼夜の野地板表面の温度が大きく変化しましたが、乾燥して行くにつれて、次第に差が縮小して行きました。
| 黒色・スレート板 | 乾燥して行くにつれて瓦系屋根材との差は縮小したものの、最も大きい数値を示し続けた |
| 黒色・平板 | 黒色・スレート瓦と銀色・日本瓦の中間的特性を示した |
| 銀色・日本瓦 | 全期間にわたり、常に最も小さい温度変化を示した |
実験開始当初は実験1と同じ順位で推移しましたが、次第に差が縮小し、以下のように実験1とは逆の結果となりました。黒色・スレート板の急激な乾燥化が特徴的です。
| 銀色・日本瓦 | 実験当初は最も低い数値を示したが、最終的には最も高い結果となった。従って、乾燥過程が最も緩やかで、一日の変化も少ない。このことは、銀色・日本瓦が野地板表面の湿度差を小さくする特性を有することを示している |
| 黒色・平板 | 実験開始直後には、銀色・日本瓦と同じような数値を示していたが、次第に黒色・スレート板の数値に近付き、黒色・スレート板とほぼ同等の数値を示すようになった |
| 黒色・スレート板 | 当初最も高い数値を示したが、最終的には最も低下し、乾燥過程が最も急激。実験期間の始期と終期では30%以上の変化を記録した 。加えて、一日の湿度変化も大きい |
実験開始当初は実験1と同じ順位で推移しましたが、3種類の屋根材ともほぼ同等の数値を示すようになりました。最終順位は以下のとおりです。この項目についても黒色・スレート板の急激な乾燥化が印象的です。
| 銀色・日本瓦 | 昼夜の変化も最が小さい |
| 黒色・平板 | 黒色・スレート板と銀色・日本瓦の中間的特性 |
| 黒色・スレート板 | 当初最も高い数値を示したが、最終的には最も低下し、乾燥過程が最も急激。実験期間の始期と終期では30%以上の変化を記録した。昼夜の湿度変化が最も大きい |
実験3 小屋裏(天井裏)が高湿条件の場合の野地板温度・湿度の経時変化
実験2で乾燥させた実験棟内部を再度加湿しています。実験期間中、加湿を継続した場合に野地板周りの環境がどのように変化するのか、ということを再度検証しています。
実験1との違いは、実験棟内の温度設定を27℃に5℃引きあげて、一層過酷な環境で実験していることです。
実験時の測定条件
| 実験に用いた屋根材 | 1.銀色・日本瓦、 2.黒色・スレート板、 3.黒色・平板 |
| 実験開始日 | 3月22日 |
| 湿度状況 | 高湿かつ高温状態 |
| 設定室温 | 27℃以上 |
| 設定湿度 | 90%以上 |
| 窓の開閉 | 終日密閉 |
| そ の他 | 加温・加湿は3月22日に開始 |
実験結果のデータ
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実験結果の概略
・野地板表面の昼夜の温度変化について
夜間は大きな温度差はありませんでしたが、実験時期が3月の下旬になったことこともあり、昼間の日射がある時には大きな違いが出るようになりました。以下の順位で大きな温度変化を示しました。
| 黒色・スレート板 | 外気の温度変化に敏感で、外気の温度が上がる日中には激しい温度変化が見られる。昼の温度上昇は3種類の屋根材の中で最も激しい。 |
| 黒色・平板瓦 | 黒色・スレート板と銀色スレート瓦の中間的特性を示す。 |
| 銀色・日本瓦 | 全期間にわたり、常に最も温度変化が少ない。最高値でも、ぬるめのお風呂程度の温度。 |
相対湿度が高い順に以下の順で、加湿を続けるにつれて、徐々にこの傾向がはっきりとして行きます。黒色スレート板の相対湿度は100%を超えて結露に至りました。
| 黒色・スレート板 | 実験開始時には最も低い値を示していたが、日中は大きな湿度変化を繰り返した。その後、急激に湿度が上昇し、実験終期には唯一、結露に至った。 始期に比べると、約50%上昇した。 |
| 黒色・平板瓦 | 実験開始時には、黒色スレートと同様の湿度変化を繰り返していたが、結露には至らなかった。銀色・日本瓦と比較すると、一日の変化、期間中の変化とも大きく、始期に比べると30%上昇した。 |
| 銀色・日本瓦 | 昼夜の変化、期間中の変化とも最も小さい。始期に比べて15%しか上昇しなかった。 |
絶対湿度が高い順に以下の順です。黒色・スレート板の昼間の絶対湿度の上がり方が顕著です。
| 黒色・スレート板 | 期間中、常に最高数値を示し続け、一日の最高値では他の瓦系屋根材とは一線を画す結果となった。昼夜の変化、期間中の変化とも最も大きい |
| 黒色・平板瓦 | 数値の基本的な傾向は、銀色日本瓦とほとんど同じだが、日中の上昇率が銀色・日本瓦よりも大きい。 |
| 銀色・日本瓦 | 昼夜の変化、期間中の変化とも最も小さい。 |
試験結果についての考察
いずれの場合についても、瓦とスレート板を比較した場合、スレート板は瓦に比べて、野地板表面の湿度変化がきわめて大きいことがわかります。以下に、湿流のメカニズムを検証しています。
実験2のように小屋裏の湿度が低い場合
日射によって温められるたびに野地板は乾燥し、湿度が下がって行きます。屋根材がスレート板の場合は、日射時に瓦よりも高温になるため乾燥化が激しく、相対湿度が一気に下がって行きます。
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しかし、日射時には野地板温度が上がり、野地板内の水分子が持つエネルギー量は、小屋裏内の空気のそれよりも大きくなるため、湿流は下向きとなります。この状態では野地板に吸着している水分子は空気中に蒸散するため、野地板は乾燥、小屋裏の空気中の湿気量は増加します。
強い日射による下向きの湿流は、夜間の上向きの湿流よりも大きいと考えられます。したがって、日射の繰り返しによって野地板は乾燥して行きます。
黒色・スレート板は野地板の表面温度が日中急激に上昇するため、急激な乾燥を繰り返して行きます。
実験1や3のように小屋裏の湿度が高い場合
日射によって温められるたびに野地板は湿気を帯び、湿度が上がって行きます。屋根材がスレート板の場合は、日射時に瓦よりも高温になるため、より、高湿状態になります。
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上の図では、既にある程度、野地板が水分を含んだ状態を表しています。
非日射時、特に夜間には野地板温度が下がり、野地板内の水分子が持つエネルギー量は、小屋裏内の空気のそれよりも小さくなるため、矢印は上向きとなります。
日射時に野地板温度が上がり、野地板内の水分が持つエネルギーが増大してくると、小屋裏内の空気のそれよりも大きくなるため、下向きの湿流が発生し、乾燥作用がある程度働きます。しかし、小屋裏が高湿である場合にはこの作用は大きくありません。
その一方で、野地板の奥まで湿気を帯びさせようとする上向きの湿流が発生しますが、ルーフィングシートで野地板表面が覆われているため、この向きの湿流は空気中に蒸散することができません。野地板の温度が上がるほど、この作用は大きくなります。
したがって、野地板の温度が上がりやすい黒色・スレート板は急激に湿潤化して行くこととなります。
瓦(日本瓦・洋瓦)とスレート材(コロニアル・カラーベスト)の比較 夏の高温時に野地板に与える影響
住宅を雨から守る大事な役割をする屋根は夏は高温、冬は低温にさらされ、しかも昨今の温暖化の影響で昼夜の温度差も次第に大きくなっています。
そして、屋根材を支える役割をするのは野地板と呼ばれる厚さ12mmの木材です。この野地板、直接日射の影響を受けることはありませんが、毎日繰り返される温度変化で劣化して行きます。この際、大きな温度変化を伴うほど劣化しやすく、屋根材によってこの度合いは大きく異なります。
今回は屋根材ごとに野地板の温度変化を測定したデータをご覧いただき、どの屋根材が野地板に最もやさしいか、ということを検証したいと思います。
結論
野地板環境に対して厳しい順番に以下のとおりです。
1.黒色・スレート板
2.黒色・平板瓦
3.銀色・日本瓦
これは、最後の「試験結果についての考察」でも述べますが、以下の2つの理由によります。
1.瓦は熱容量の大きい屋根材であること。つまり、温まりにくく冷めにくい屋根材であること
2.瓦は、野地板に直接接してしまうスレート板とは異なり、野地板に直接接することなく、しかも、瓦と野地板の間に大きな空気層を有することで、大きな断熱性能を発揮すること
以上のことを以下の実験データで検証したいと思います。夏の期間では野地板表面の温度上昇の大きいものが、野地板に厳しい屋根材であると言えます。
屋根材外表面温度について
サーモグラフで見た結果
表面温度が上がりやすいのは、黒色・スレート板、黒色・平板瓦、銀色・日本瓦の順

・上の写真は夏季に屋根面に日射の当たった状態での熱画像を示す
・試験体は左から銀色・日本瓦、黒色・スレート板、黒色・平板瓦
・屋根材外表面温度は熱容量が小さく,日射吸収率の大きい黒色スレート板が最も高く,次が熱容量が大きく,日射吸収率が中位の黒色瓦で,最も低いのが熱容量が大きく,日射吸収率の小さい銀色瓦であることがわかる
実際の試験データで見た結果
表面温度が最も高くなったのは以下の順です。
黒色・日本瓦は7.7℃、黒色・平板瓦は2.2℃、黒色・スレート板よりも表面温度が低い数値を示しています。
後に示す野地板表面温度や小屋裏温度では、さらに温度差が大きくなります。このことは、瓦が野地板との間に厚い通気層を持つことによって、非常に大きな断熱性能を発揮していることを証明しています。
以下に、この試験データである図12を掲載します。
野地板内表面温度について
サーモグラフで見た結果
表面温度が上がりやすいのは、黒色・スレート板、黒色・平板瓦、銀色・日本瓦の順

銀色・日本瓦の場合
黒色・スレート板の場合
黒色・平板瓦の場合
実際の試験データで見た結果
表面温度が最も高くなったのは以下の順です。
平均で黒色・平板瓦は5.1℃、銀色・日本瓦は9.0℃、黒色・スレート板よりも野地板の表面温度が低い数値を示します。お風呂のお湯に例えるなら、銀色・日本瓦の野地板は熱めの湯、黒色・スレート板は大やけどするほどの熱さです。
銀色・日本瓦は野地板に大変やさしい屋根材であると言えます。
以下に、この試験データである図13を掲載します。
小屋裏空気温度について
実際の試験データで見た結果
表面温度が最も高くなったのは以下の順です。
小屋裏とは天井裏のことですので、このことは夏の冷房負荷に直結します。平均で銀色・日本瓦は6.4℃、黒色・平板瓦は4.4℃、黒色・スレート板よりも低い温度を示します。したがって、瓦は非常に経済的な屋根材だということができます。
以下に、この試験データである図14を掲載します。
試験結果についての考察
いずれの場合についても、瓦とスレート板を比較した場合、瓦は夏季の日射の影響を受けにくいことが、はっきりとわかります。これは冬季に行った試験のデータにも同様の結果が出ています。この理由については、以下のことが指摘できます。
屋根材による熱容量の違い
以下に瓦とスレート板の熱容量を示しています。これらの数値からは、瓦の方が27.2%も熱容量が大きことが分かります。つまり、瓦は暖まりにくく、冷めにくい屋根材です。
屋根材と野地板間の空気層の大きさの違い
下の図は、屋根材ごとの屋根の構造を図式化したものです。屋根材として瓦を使用した場合には、大きな空気層ができることが分かります。
現代高気密住宅では、断熱材で覆われた居室と外壁の間に空気層を設け、断熱効果を向上させるとともに、その換気効果によって住宅内にこもってしまう熱気や湿気を排出するという手法を採用しています。
瓦は直近の「屋根材による熱容量の違い」の段落でも取り上げたとおり、熱容量が大きいためそれ自体に断熱効果があります。それに加えて大きな空気層による換気効果もあるのでスレート板に比べて格段に大きな断熱性能を発揮することができます。
屋根材に和型を用いた時にできる空気層
屋根材にスレート板を用いた時にできる空気層
当該記事は3回シリーズのうちの第3回目です。
第1回目は 日本の気候風土において、屋根材が住宅環境に与える影響について思うこと
第2回目は 実験施設の概要について
そして、屋根材を支える役割をするのは野地板と呼ばれる厚さ12mmの木材です。この野地板、直接日射の影響を受けることはありませんが、毎日繰り返される温度変化で劣化して行きます。この際、大きな温度変化を伴うほど劣化しやすく、屋根材によってこの度合いは大きく異なります。
今回は屋根材ごとに野地板の温度変化を測定したデータをご覧いただき、どの屋根材が野地板に最もやさしいか、ということを検証したいと思います。
結論
野地板環境に対して厳しい順番に以下のとおりです。
1.黒色・スレート板
2.黒色・平板瓦
3.銀色・日本瓦
これは、最後の「試験結果についての考察」でも述べますが、以下の2つの理由によります。
1.瓦は熱容量の大きい屋根材であること。つまり、温まりにくく冷めにくい屋根材であること
2.瓦は、野地板に直接接してしまうスレート板とは異なり、野地板に直接接することなく、しかも、瓦と野地板の間に大きな空気層を有することで、大きな断熱性能を発揮すること
以上のことを以下の実験データで検証したいと思います。夏の期間では野地板表面の温度上昇の大きいものが、野地板に厳しい屋根材であると言えます。
屋根材外表面温度について
サーモグラフで見た結果
表面温度が上がりやすいのは、黒色・スレート板、黒色・平板瓦、銀色・日本瓦の順

・上の写真は夏季に屋根面に日射の当たった状態での熱画像を示す
・試験体は左から銀色・日本瓦、黒色・スレート板、黒色・平板瓦
・屋根材外表面温度は熱容量が小さく,日射吸収率の大きい黒色スレート板が最も高く,次が熱容量が大きく,日射吸収率が中位の黒色瓦で,最も低いのが熱容量が大きく,日射吸収率の小さい銀色瓦であることがわかる
実際の試験データで見た結果
表面温度が最も高くなったのは以下の順です。
| 黒色・スレート板 | 78.9℃ |
| 黒色・平板瓦 | 76.7℃ |
| 銀色・日本瓦 | 71.2℃ |
後に示す野地板表面温度や小屋裏温度では、さらに温度差が大きくなります。このことは、瓦が野地板との間に厚い通気層を持つことによって、非常に大きな断熱性能を発揮していることを証明しています。
以下に、この試験データである図12を掲載します。
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野地板内表面温度について
サーモグラフで見た結果
表面温度が上がりやすいのは、黒色・スレート板、黒色・平板瓦、銀色・日本瓦の順

銀色・日本瓦の場合
黒色・スレート板の場合
黒色・平板瓦の場合
実際の試験データで見た結果
表面温度が最も高くなったのは以下の順です。
| 黒色・カラーベスト | 55.5〜57.9℃ |
| 黒色・平板瓦 | 50.5〜52.9℃ |
| 銀色・日本瓦 | 46.6〜48.9℃ |
銀色・日本瓦は野地板に大変やさしい屋根材であると言えます。
以下に、この試験データである図13を掲載します。
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小屋裏空気温度について
実際の試験データで見た結果
表面温度が最も高くなったのは以下の順です。
| 黒色・カラーベス ト | 46.6〜52.7℃ |
| 黒色・平板瓦 | 42.3〜47.6℃ |
| 銀色・日本瓦 | 40.5〜45.3℃ |
以下に、この試験データである図14を掲載します。
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試験結果についての考察
いずれの場合についても、瓦とスレート板を比較した場合、瓦は夏季の日射の影響を受けにくいことが、はっきりとわかります。これは冬季に行った試験のデータにも同様の結果が出ています。この理由については、以下のことが指摘できます。
屋根材による熱容量の違い
以下に瓦とスレート板の熱容量を示しています。これらの数値からは、瓦の方が27.2%も熱容量が大きことが分かります。つまり、瓦は暖まりにくく、冷めにくい屋根材です。
| 銀色瓦および黒色瓦 | 7.20kcal / m2.℃ |
| 黒色スレート板 | 5.66kcal / m2.℃ |
屋根材と野地板間の空気層の大きさの違い
下の図は、屋根材ごとの屋根の構造を図式化したものです。屋根材として瓦を使用した場合には、大きな空気層ができることが分かります。
現代高気密住宅では、断熱材で覆われた居室と外壁の間に空気層を設け、断熱効果を向上させるとともに、その換気効果によって住宅内にこもってしまう熱気や湿気を排出するという手法を採用しています。
瓦は直近の「屋根材による熱容量の違い」の段落でも取り上げたとおり、熱容量が大きいためそれ自体に断熱効果があります。それに加えて大きな空気層による換気効果もあるのでスレート板に比べて格段に大きな断熱性能を発揮することができます。
屋根材に和型を用いた時にできる空気層
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当該記事は3回シリーズのうちの第3回目です。
第1回目は 日本の気候風土において、屋根材が住宅環境に与える影響について思うこと
第2回目は 実験施設の概要について
実験施設の概要について
前回の記述により、エコ住宅の目的を達成するには、安易に安価な屋根材に頼るのではなく、瓦の基本性能を十分に発揮させることが必要だと意見を述べました。ここでいう瓦の基本で性能とは、瓦の持つ遮熱性です。ここでは遮熱性とは、太陽から受けたエネルギーを反射、または吸収した場合にはその熱量を住宅内に輻射しないこと、とします。太陽の熱量を住宅内に伝えない性質、と言い換えることもできます。
そこで、瓦の遮熱性についての実証試験が福岡大学工学部の須貝研究室で行われていますので、その試験結果をご紹介したいと思います。
この実験は、夏季と冬期(主に夏季)における屋根材の違いによる熱環境の違いを明らかにすることを目的に行われていて、「銀色−和瓦」「黒色―平板瓦」「黒色―カラーベスト」を葺いた比較実験棟を屋外に並べて建て、夏季・冬期のについてそれぞれの「表面温度」「野地板裏側温度」「小屋裏空気温度」の比較検証実験でした。
実験棟の形状と屋根の構造
写真1に実験棟の外観,図7〜9に実験棟の断面図を示します.実験棟は福岡大学工学部内に3種類を建設し,屋外での比較実験を行っています。
写真1:実験棟の外観
床面積は外寸で1024×934mm,壁の高さは南側1200mm,北側1650mmで,屋根は片流れ南向きの45寸勾配です。小屋裏換気の影響を加味すすため20mm×120mmの換気口を設けてあります。(図9参照。)
屋根構成は,外側から順に屋根材,アスファルトルーフイング22kg/m2,合板(野地板)厚さ12mmで,3棟の違いは屋根材のみです。(図7および8参照)
各種センサーの位置
この実験には細かなデータをとるために多くのセンサーを設置しています。図11に用いいられた各種センサー位置を示しています。
図11:センサーの位置
その他の条件
屋根材の違い
熱容量
スレート板のほうが温まりやすく冷めやすい、という傾向が顕著であることがわかります。
実験棟の壁・床構成
全て同一であり,壁は外側からサイディング11mm、合板12mm、ポリスチレンフォーム41mm、合板12mmです。床は壁に使用しているサイデイングの代わりに合板12mmを施工しています。
当該記事は3回シリーズのうちの第2回目です。
第1回目は 日本の気候風土において、屋根材が住宅環境に与える影響について思うこと
第3回目は 瓦(日本瓦・洋瓦)とスレート材(コロニアル・カラーベスト)の比較 夏の高温時に野地板に与える影響

そこで、瓦の遮熱性についての実証試験が福岡大学工学部の須貝研究室で行われていますので、その試験結果をご紹介したいと思います。
この実験は、夏季と冬期(主に夏季)における屋根材の違いによる熱環境の違いを明らかにすることを目的に行われていて、「銀色−和瓦」「黒色―平板瓦」「黒色―カラーベスト」を葺いた比較実験棟を屋外に並べて建て、夏季・冬期のについてそれぞれの「表面温度」「野地板裏側温度」「小屋裏空気温度」の比較検証実験でした。
実験棟の形状と屋根の構造
写真1に実験棟の外観,図7〜9に実験棟の断面図を示します.実験棟は福岡大学工学部内に3種類を建設し,屋外での比較実験を行っています。
写真1:実験棟の外観
床面積は外寸で1024×934mm,壁の高さは南側1200mm,北側1650mmで,屋根は片流れ南向きの45寸勾配です。小屋裏換気の影響を加味すすため20mm×120mmの換気口を設けてあります。(図9参照。)
屋根構成は,外側から順に屋根材,アスファルトルーフイング22kg/m2,合板(野地板)厚さ12mmで,3棟の違いは屋根材のみです。(図7および8参照)
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| 図7:屋根正面の断面図 | 図8:屋根横からの断面図 | 図9:全体の断面図 |
各種センサーの位置
この実験には細かなデータをとるために多くのセンサーを設置しています。図11に用いいられた各種センサー位置を示しています。
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その他の条件
屋根材の違い
| 銀色瓦(艶あり・和型・陶器瓦) | 厚さ18mm |
| 黒色スレート板(艶無し) | 厚さ5mm |
| 黒色瓦(艶有り・平板・陶器瓦) | 厚さ18mm |
熱容量
| 銀色瓦および黒色瓦 | 7.20kcal/m2.℃ |
| 黒色スレート板 | 5.66kcal/m2.℃ |
実験棟の壁・床構成
全て同一であり,壁は外側からサイディング11mm、合板12mm、ポリスチレンフォーム41mm、合板12mmです。床は壁に使用しているサイデイングの代わりに合板12mmを施工しています。
当該記事は3回シリーズのうちの第2回目です。
第1回目は 日本の気候風土において、屋根材が住宅環境に与える影響について思うこと
第3回目は 瓦(日本瓦・洋瓦)とスレート材(コロニアル・カラーベスト)の比較 夏の高温時に野地板に与える影響

日本の気候風土において、屋根材が住宅環境に与える影響について思うこと
昨年の東日本大震災を受けて、今の日本の住宅建築業界はエコ住宅ブームと言って状態です。このエコ住宅なるものが目指しているものは住宅の気密化であり、居室を断熱材で包み込んでしまい冷暖房の効率をよくして行こうというものであります。
このこと自体は原発の再稼働がままならない中で、再生可能エネルギーに大きく舵を取って行こうとしている現状ではやむを得ない戦術であると言えます。
しかしながら、このことが完璧な方策であるかというと、大きな落とし穴が待ち構えていそうだと言わざるを得ないような気がしています。
日本の気候風土と住宅構造
それは日本の気候を見落としているからにすぎません。日本は高温多湿であるとよく言われます。昨年も関東地方は大変な熱波に見舞われ、熱中症に見舞われる方が多数出ることとなりました。ヨーロッパでもこうしたことはあり得ます。しかし、何が大きく違うかといえば、湿度の問題です。
私たちはスペイン産の瓦も扱っていますのでスペインにも出張で出かけることがあります。変にフランスで多数の方が亡くなった年も9月の上旬に地中海沿岸部を訪れました。この時に気がついたのですが、もちろんホテルにはありますが、現地では冷房施設が入っていない会社が珍しくないということです。
もちろん35度を軽く超えていましたので暑いとは感じますが、冷房が必要だとは感じないのです。これほど日本の湿度は外国と比べて高いということです。この状態で居室を断熱材で密閉してしまうと大変なことになります。これを全うするには強固な換気システムを備えなければなりません。
スペインの住宅
日本の住宅建築の知恵
これまでの日本の住宅は開口部を開ければ,残るのは柱と梁だけです。使用しているのは,茅・藁・紙・土・木といった自然の材料であり,出来上がった室内は涼しげな空間となります。
昔の屋根材は茅葺きで,雨が降ると水分を含み,日射が強い時には外気に蒸発して,打ち水をすると涼しくなるように住宅を冷やし続けて強い日射から住宅を守り続けました。この茅葺きは輻射熱の防止効果が高く,熱気を室内に入れない適材でした。
反面,燃えやすく火災になると危険であるため,江戸時代の中期から可燃性屋根材である茅葺きは防火上のため禁止され,瓦葺きになります。つまり日本の住宅の屋根は火災を防ぐ意味でも重要でした。
茅葺き屋根
瓦が本来持っている機能をもっと引き出すべき
このように、断熱材で居室を覆うだけでなく、これまでの日本建築に取り入れられてきた知恵も取り入れてこそ気候風土に合った住宅が出来上がるにだと思います。そのためには瓦が持っている遮熱性などの昨日を発揮できるようにするべきです。現在のコスト重視でトタン屋根やスレート屋根に走ってしまうことは決していい結果をもたらさないと思います。安すすぎるものにいいものはないのです。
そこで、是非、瓦が持っている屋根材としての優れた性能を知っていただきたいと考え、複数回に分けて、瓦の特徴をスレート材と比較することによって検証したいと思います。
当該記事は3回シリーズのうちの第1回目です。
第2回目は 実験施設の概要について
第3回目は 瓦(日本瓦・洋瓦)とスレート材(コロニアル・カラーベスト)の比較 夏の高温時に野地板に与える影響
このこと自体は原発の再稼働がままならない中で、再生可能エネルギーに大きく舵を取って行こうとしている現状ではやむを得ない戦術であると言えます。
しかしながら、このことが完璧な方策であるかというと、大きな落とし穴が待ち構えていそうだと言わざるを得ないような気がしています。
日本の気候風土と住宅構造
それは日本の気候を見落としているからにすぎません。日本は高温多湿であるとよく言われます。昨年も関東地方は大変な熱波に見舞われ、熱中症に見舞われる方が多数出ることとなりました。ヨーロッパでもこうしたことはあり得ます。しかし、何が大きく違うかといえば、湿度の問題です。
私たちはスペイン産の瓦も扱っていますのでスペインにも出張で出かけることがあります。変にフランスで多数の方が亡くなった年も9月の上旬に地中海沿岸部を訪れました。この時に気がついたのですが、もちろんホテルにはありますが、現地では冷房施設が入っていない会社が珍しくないということです。
もちろん35度を軽く超えていましたので暑いとは感じますが、冷房が必要だとは感じないのです。これほど日本の湿度は外国と比べて高いということです。この状態で居室を断熱材で密閉してしまうと大変なことになります。これを全うするには強固な換気システムを備えなければなりません。
スペインの住宅
日本の住宅建築の知恵
これまでの日本の住宅は開口部を開ければ,残るのは柱と梁だけです。使用しているのは,茅・藁・紙・土・木といった自然の材料であり,出来上がった室内は涼しげな空間となります。
昔の屋根材は茅葺きで,雨が降ると水分を含み,日射が強い時には外気に蒸発して,打ち水をすると涼しくなるように住宅を冷やし続けて強い日射から住宅を守り続けました。この茅葺きは輻射熱の防止効果が高く,熱気を室内に入れない適材でした。
反面,燃えやすく火災になると危険であるため,江戸時代の中期から可燃性屋根材である茅葺きは防火上のため禁止され,瓦葺きになります。つまり日本の住宅の屋根は火災を防ぐ意味でも重要でした。
茅葺き屋根
瓦が本来持っている機能をもっと引き出すべき
このように、断熱材で居室を覆うだけでなく、これまでの日本建築に取り入れられてきた知恵も取り入れてこそ気候風土に合った住宅が出来上がるにだと思います。そのためには瓦が持っている遮熱性などの昨日を発揮できるようにするべきです。現在のコスト重視でトタン屋根やスレート屋根に走ってしまうことは決していい結果をもたらさないと思います。安すすぎるものにいいものはないのです。
そこで、是非、瓦が持っている屋根材としての優れた性能を知っていただきたいと考え、複数回に分けて、瓦の特徴をスレート材と比較することによって検証したいと思います。
当該記事は3回シリーズのうちの第1回目です。
第2回目は 実験施設の概要について
第3回目は 瓦(日本瓦・洋瓦)とスレート材(コロニアル・カラーベスト)の比較 夏の高温時に野地板に与える影響
省エネ新基準の認定制度創設
政府は2月28曰、都市のCO2排出量の抑制を主目的とする都市低炭素化促進法案を国会に提出した。建築物については、分譲戸建て住宅向けの「トップランナー基準」並みの省エネ基準を分譲以外の住宅、非住宅建物や増改築工事なども対象に定めて、「低炭素建築物」の認定制度を創設する。同法が今国会で成立して施行された場合、早ければ今年の夏に制度が発足する見込みだ。
政府は2020年までに全ての新築建物に省エネ化を義務付ける方針とは別に、義務化の基準より高レベルの「誘導的な水準」として低炭素建物の認定基準を位置付ける。認定は長期優良住宅と同様、特定行政庁などが行い、エネルギー消費量の基準への適合や助排出量の抑制への取り組みを審査する。認定基準の具体的な内容は未定で、国士交通省が法案の資料に掲載した上の図はあくまでもイメージだという。
法案では、低炭素建物は屋内に設置する低炭素化のための設備機器を、建築確認で容積率対象の床面積に参入しなくてよい。新築住宅の場合は税制面の優遇措置も受けられる。
政府は新築建物の省エネ義務付けの法制化を、省エネ法改正という形で進めている。経済産業省が2月咀曰に公表した改正法案の概要の中に義務付けの方針を記した。
省エネ義務付けも法制化へ
同法の改正で、建材や設備機器の省エネ性能もエネルギー消費効率に関するトップランナー制度の導入によって強化する方針だ。建材・設備の同制度は、住宅のトップランナー基準と直接のつながりはなく、電気製品や自動車などの制度に近いものとなる見込み。電気製品などのトップランナー制度は、原則として対象機器の全ての製品に対し、エネルギー消費効率の目標基準値を目標年度までに達成するよう求めるものだ。
改正法案の概要は、スマートメーターの早期普及による電力の需給状況に応じた柔軟な電気料金制度の構築や、電力使用情報の見える化によって、電力会社が需要家の電力ピーク対策を支援する仕組みにも触れている。
政府は2020年までに全ての新築建物に省エネ化を義務付ける方針とは別に、義務化の基準より高レベルの「誘導的な水準」として低炭素建物の認定基準を位置付ける。認定は長期優良住宅と同様、特定行政庁などが行い、エネルギー消費量の基準への適合や助排出量の抑制への取り組みを審査する。認定基準の具体的な内容は未定で、国士交通省が法案の資料に掲載した上の図はあくまでもイメージだという。
法案では、低炭素建物は屋内に設置する低炭素化のための設備機器を、建築確認で容積率対象の床面積に参入しなくてよい。新築住宅の場合は税制面の優遇措置も受けられる。
政府は新築建物の省エネ義務付けの法制化を、省エネ法改正という形で進めている。経済産業省が2月咀曰に公表した改正法案の概要の中に義務付けの方針を記した。
省エネ義務付けも法制化へ
同法の改正で、建材や設備機器の省エネ性能もエネルギー消費効率に関するトップランナー制度の導入によって強化する方針だ。建材・設備の同制度は、住宅のトップランナー基準と直接のつながりはなく、電気製品や自動車などの制度に近いものとなる見込み。電気製品などのトップランナー制度は、原則として対象機器の全ての製品に対し、エネルギー消費効率の目標基準値を目標年度までに達成するよう求めるものだ。
改正法案の概要は、スマートメーターの早期普及による電力の需給状況に応じた柔軟な電気料金制度の構築や、電力使用情報の見える化によって、電力会社が需要家の電力ピーク対策を支援する仕組みにも触れている。













